ホーム > 診療案内 > 審美歯科
あなたは笑顔に自信がありますか?
その人の印象を左右するのはファッションや髪型ではなく、実は美しい口元によって作り出されている笑顔なのです。
「悪いから治すだけ」から「美しくするために治す」歯科治療へ。
気になる歯を美しくして、心の「かげり」を取り除き、精神的な健康を作るのも大切な歯科治療の目的です。
とりわけ前歯は、“美しさと機能性”という二つの要素を満たす事が要求されますが、ここでは代表的な治療法と特徴をいくつかが紹介いたします。
あなたの輝く笑顔のために、私たち担当医と一緒に考えましょう。
ポーセレンラミネートベニヤとは
ポーセレンラミネートベニヤとは、基本的には「歯の表面」を美しく見せるための施術法です。
比較的簡単な施術で歯を白く、美しい形に見せることができます。
方法は「歯の表面をごく薄く削り、そこにセラミック製の薄いカバーのようなものを貼り付ける」というもので、削った歯に張り付けるものを「チップ」や「シェル」と呼びます。
近年ではガラス系セラミックやジルコニアなどの材料も使われております。
歯の隙間やねじれてしまった歯の形を修復することができる歯科治療
ポーセレンラミネートベニヤは歯の表面を美しく見せる施術法ですが、これにより次のようなことも解決できます。
- 歯の隙間が空きすぎてしまっている部分をほどよく埋めることができ、歯並びがよく見える
- 生え方がねじれている歯の形を調整し、正しい位置にあるものに近づけることができる
- 削れている歯、小さな穴が開いている歯をカバーすることができる
ポーセレンラミネートベニヤの施術方法
1.歯科医師とのカウンセリング
まず、ポーセレンラミネートベニヤの施術を行う歯科医師とのカウンセリングが行われます。
自分が希望する歯の白さや形状、どのような歯になりたいのかといったイメージを共有し、完成した際に「イメージ違い」が発生してしまわないようにします。
また、今後どのように施術が進むかについても説明を受け、費用面での無理がないかといったことについても認識を合わせていきます。
歯の症状によっては他の施術のほうが適している場合や、ポーセレンラミネートベニヤを希望しても適性でない場合などもあり、治療前のカウンセリングは非常に重要です。
歯の状態を知るため、歯の写真撮影、レントゲン撮影なども行います。
歯型を取り、完成した状態の模型を作ることもあります。
2.歯の形成、型取り
セラミックシェルを貼り付けるため、歯の表面を削ります。表面から0.3~0.8mmというわずかな厚みであり、削るのは神経に影響しない部分であるため、麻酔を用いる必要もありません。
なお、削らなくてよいケースもあります。「唇側」(表の唇に触るところ)に違和感がない、歯の厚さが気にならない、ということであれば、全く削らないということも可能です。
想像では判断が難しいため、歯を削る前に「シミュレーション用のシェル」を着け、数日過ごす方法もあります。
これには、以下のようなメリットがあります。
・長さ、向き、口の中の感覚などを確認できる
・自分と医師以外の目で確認できる
・削る前であり、やめることもできる
・これらの情報を医師と共有でき、より自分にフィットするチップをつくることができる
その後、セラミックシェルを作製するための型取りを行います。
歯の表面のカーブや凹凸などを「正確」に型取ることで、よりぴったりと接着することが可能なセラミックシェルを作製することができるためです。
3.セラミックシェルの作製
型取りを元に、セラミックの歯を製作します。
なお、セラミックシェルの作成には一週間から二週間程度かかるため、その間は仮の歯で削った歯をカバーし、日常生活に支障がないようにします。
セラミックシェルを歯科技工士が作成します。
材料がジルコニアの場合は、当日の完成も可能な場合があります。
4.セラミックシェルの接着
機械で削り出したセラミックの薄い板のような形に作り上げられたセラミックシェルを、接着剤で貼り付けます。
接着剤は特殊な光を当てることで硬化するタイプのものです。
しっかりと歯に貼り付けた後に、セラミック周辺を磨き、高さに凸凹が出ないよう周囲の歯になじませて完成です。
施術としてはこれで終了ですが、経過予後確認のための来院が必要になる場合があります。
ポーセレンラミネートベニヤの通院回数の目安
通院回数は2~4回の歯科医院やクリニックが多いでしょう。
一般的には次のような流れです。
1回目:歯科医師とのカウンセリング
2回目:歯の形成、型取り
3回目:セラミックシェルの接着
4回目:経過予後確認
1回目にカウンセリングから型取りまでを済ませる場合もあります。
セラミックシェルの製作に時間が必要ですので、2回目と3回目を同時に行うことはありません。
ポーセレンラミネートベニヤのメリット
1.1本だけの治療から上下の前歯全てまで治療可能
治療の規模を柔軟に変えることができます。1本だけをポーセレンラミネートベニヤで美しくすることもできますし、あるいは上下の前歯をすべて治療することも可能です。
ただし、ポーセレンラミネートベニヤでの治療が難しい場合もあるため、治療に際しては医師とのカウンセリングが必要です。
なお、他の治療に比べて短期間で完了するのも、大きなメリットと言えるでしょう。
治療する歯の本数が多くとも、通院回数が増えたり、治療期間が大幅に伸びたりすることはありません。
2.長い期間美しい歯をキープできる
金属や合成樹脂などと比較して、セラミックという素材は変質しづらく、削れたりすることも少ないものです。
汚れや色素がつきにくいので、1度の治療が完成すれば、長期間美しい歯を保つことができます。
アレルギーを起こしづらいというのも大きなメリットです。
3.自分の歯を多く残せる
天然歯(もともと生えている歯)は一度失ってしまうと、二度と戻ることがなく、貴重なものです。
エナメル質範囲内の(0.3~0.8mm程度)削るだけで治療が可能なため、自分の歯を多く残せるというメリットがあります。
神経が通った歯の重要性は非常に高く、歯科業界としても「できるだけ自分の歯を残す治療」が推奨されています。
以前は歯そのものを入れ替える治療が多かったために、入れ歯・差し歯なども多用されてきましたが、ポーセレンラミネートベニヤであれば最大限歯を残して自分の望む歯の色や形を手に入れることが可能です。
4.施術を受けていない歯と馴染む
施術前のカウンセリングで自分の歯の色調に合うよう調整を行うため、自分の歯の色と馴染み、ポーセレンラミネートベニヤを行った歯が目立ちません。
「前歯の1本だけが不自然に白い」ということもなく、全体として自然な歯になります。
ポーセレンラミネートベニヤのデメリット
1.治療費の面で保険が適応されないこと
ポーセレンラミネートベニヤは保険が適用されないため、支払いはすべて自費となります。
1本あたり5~15万円ほどがかかると考えられますので、保険診療と比べて大きな負担となります。
また、同じく「歯を白くする・美しくする」という保険外の治療である歯の漂白、「ホームホワイトニング」に比べると、治療費は高くなります。
2.施術内容の面で健康な歯のエナメル質を削ること
削る厚さが0.3~0.8mm程度であるとはいえ、健康な歯のエナメル質を削ることになります。
美容的な観点からは必要であっても、医療的な観点で言えば不必要なものであり、この部分は、自分自身でよく検討する必要があります。
ただし、歯の状態が大きなコンプレックスとなり、人前に出る際などの精神的負担になることもあります。
歯の健康だけでなく心の健康も含めてポーセレンラミネートベニヤの必要性を考慮するようにしましょう。
なお、先にもご紹介しましたように、歯を削らずに対応できるポーセレンラミネートベニヤもありますので、歯を削ることに抵抗がある方は歯科医師に相談してみてください。
3.セラミックが欠けることがあること
セラミックは非常に丈夫な素材ですが、人間の噛む力は非常に強く、食いしばったり歯ぎしりが続いたりすると、欠けてしまうこともあります。
4.加齢による歯茎の萎縮で再治療になる場合があること
ポーセレンラミネートベニヤは事前のカウンセリングやその後の微調整で歯にぴったりと合うものが作られますが、加齢により歯茎が委縮すると歯の位置・歯茎から出る部分の大きさなどが微妙に変わってしまい、再治療になる場合もあります。
ハイブリットセラミックは、プラスチックにセラミックを混ぜて硬くした歯科樹脂です。
金属を使用しないので、金属アレルギーの方も使用でき、見た目は天然歯と見分けがつかないほどです。
保険でできるプラスティックよりは強度がありますが、噛み合わせが強い方にはお勧めできないこともあります。
自費の詰め物・被せ物の中では比較的安価でお手頃です。
ハイブリッドCAD/CAM冠について
プラスチックとセラミックを混ぜ合わせた一つのブロックをコンピューターで設計した形に削り出す被せ物が、ハイブリッドCAD/CAM冠です。
基本的に、被せ物は型取りをしてから技工所に出し、人と機械で作製してきましたがCAD/CAM冠はコンピューターで設計した形に機械が削っていってくれます。
保険の適用について
ハイブリッドセラミックは、詰め物は保険が適用されません
ハイブリッドセラミックの詰め物には保険適用されませんので自費になります。
オールセラミックよりは安く、保険のレジンよりは見た目もよいです。
CAD/CAM冠は、保険が一部適用されます。
2020年9月1日特定保険医療材料一部改正で、CAD/CAM冠について、前歯に適応範囲が拡大することとなりました。
今回適応範囲が拡大されたのは、次の図にオレンジ色で示すとおり、上顎・下顎それぞれの前歯(中切歯、側切歯、犬歯)です。
第一大臼歯
上下顎両側の第二大臼歯(左図○)が全て残存し、左右の咬合支持がある患者に対し、適度な咬合圧が加わらない場合
大臼歯
歯科用金具を原因とする金属アレルギーを有する患者において、医科の保険期間又は医科歯科併設の医療機関の医師との連携のうえで、診療情報提供(診療情報提供料の様式に準ずるもの)に基ずく場合
ハイブリッドセラミックのメリット
・歯の色に似ているため見た目が良い
・金属を一切使用しないため、金属が溶け出すことによる歯茎の変色や金属アレルギーになる心配がない
・硬すぎないので周囲の歯や噛み合う歯を痛めることがない
・好みの白さに調節できる
ハイブリッドセラミックのデメリット
・色調はオールセラミックに劣る
・割れることがあるので、噛み合わせの状態によって使用できないことがある
・経年により歯茎が下がり、歯と歯茎の境目が見えてくることがある
・保険適用外の箇所は値段が高い
メタルボンドポーセレンとは、金属の上に陶材を焼き付けたかぶせ物です。
古くより使用されている材料で強度が非常に優れており、全ての歯の部位に適します。
メタルボンドポーセレンの色味は金属を使用するために透過性に乏しく、光を当てた際の透明感がオールセラミックに比べると劣ります。
奥歯にも適するメタルボンドポーセレン
審美性に最も優れているオールセラミックより、メタルボンドポーセレンが適用される点は、一言でいえば強度です。
歯ぎしりやくいしばりをする方や、奥歯で固いものを噛む時、オールセラミッククラウンでは欠けてしまうことがあります。
また、セラミックは固いため、周りの天然歯に負担がかかる場合があります。
オールセラミックは全て陶器で出来ており天然歯のような透明感があるので、固いものをかみくだかない前歯に大変適しています。
メタルボンドポーセレンも前歯に適しますが、金属に陶器を焼きつけているため、透明感はどうしても劣ります。
一方、メタルボンドポーセレンは、費用においてもオールセラミックに比べると安く、強度もありますので、奥歯にも適します。
笑った時も歯の裏側は見えにくいですから、裏側の金属色も比較的気になりません。
メタルボンドポーセレンのメリット
・強度があるために奥の歯にも使用可能です。
・保険の歯に比べて天然歯に近い色を再現できます。
・ゴールド系の裏打ちを使用するために、歯肉に金属色が溶けだすといったような影響は少ないです。
・保険の歯のように時間とともに変色しません。
・オールセラミックよりも安価です。
メタルボンドポーセレンのデメリット
・年齢とともに歯肉が下がり、金属のラインが見える場合があります。
・使用する金属の種類によっては、金属アレルギーを起こす可能性があります。
・自費治療なので保険の白い歯よりも価格が高くなります。
・オールセラミックのような透過性がありません。
・金属にセラミック(陶器)を貼り付けているので裏側は金属色です。
白い陶製の材料、セラミックだけで作った被せ物を「オールセラミッククラウン」といいます。
保険診療で使われる金属は一切含まれず、審美性と機能性を兼ね備えた被せ物です。
虫歯治療で被せ物が必要になったとき、現在使用中の金属の被せ物の見た目や金属アレルギーが心配になったとき、ぜひ検討してみてください。
※内側も外側も、100%をセラミックのみで作ります。
オールセラミックはこのような方におすすめ
金属アレルギーの方
オールセラミッククラウンには、一切の金属が使用されません。
金属アレルギーの方、金属アレルギーが心配な方には強くおすすめできます。
前歯の美しさにこだわりたい方
オールセラミックの最大の特徴である「限りなく天然歯に近い美しさ」をもっとも深く感じていただけるのは、前歯に使用したときです。
オールセラミックのメリット
・セラミックを使った被せ物にはいくつかの種類がありますが、その中でも限りなく天然歯に近い、群を抜く美しさを誇ります。
・長期にわたって形が安定し、また汚れが付着しにくいため、二次虫歯のリスクが抑えられます。
・歯科用プラスチックやハイブリッドセラミックとは異なり、長期にわたってその白さが維持されます。
・金属を一切使用しませんので、金属アレルギーの方、金属アレルギーが心配な方も安心です。
・金属を含む被せ物を使用した場合、その金属の溶け出しを原因として歯茎が黒ずむことがあります。オールセラミックではその心配がありません。
オールセラミックのデメリット
・強い衝撃を受けたとき、あるいは長期間強い噛み合わせにさらされたときなど、セラミックは割れてしまうことがあります。
・自費診療であり、保険診療での金属の被せ物の治療などと比べると、費用が高額になります。
硬質レジン前装冠とは、裏面・内面のフレーム部分は金属(12%金銀パラジウム合金)で、外から見える表面部分にのみレジン(プラスチック)樹脂をコーティングしたクラウン(全部被せるタイプの差し歯)です。
健康保険の範囲で前歯クラウンの治療を行う場合には、ほとんどの場合この硬質レジン前装冠になります。
健康保険適応なので経済的負担が軽いというメリットがありますが、この「レジン」というのはいわゆる「プラスチック」なので、時間が経つと段々変色してくるというデメリットがあります。
硬質レジン前装冠のメリット
・前歯部では保険適応なので費用が比較的かからない
硬質レジン前装冠のデメリット
・色調にやや難がある。
・着色が着きやすく変色することがある。
・水分を含むので、プラークがつきやすいため、口臭の原因になることがあります。
・材料がプラスティックなので、表面が磨り減ってツヤがなくなることがあります。
・保険では臼歯部に使用できない。